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[No,496] 巨人ナイン 飛ばないボールに自身喪失

先生@管理人 [神の領域!] [941回(55194pt)] [2011/2/5(土) 午後12:37:23]
●「重い」「飛ばない」にこんなはずでは…
 坂本が首をひねり、亀井が天を仰いだ。
 3日の巨人キャンプ第1クール最終日。フリー打撃に登板した小野、星野、野間口、須永、朝井、金刃といった一軍での実績に乏しい6人の若手投手相手に、強打を誇る坂本、亀井、脇谷ら主力打者が沈黙だ。田中、亀井、加治前がバットをへし折られるなど、打者のサク越えはゼロ。巨人らしい豪快な本塁打を見に球場に足を運んだファンからはため息が漏れた。
 宮崎で取材している評論家の橋本清氏がこう言う。
「この時期は総じて投手の仕上がりの方が早いもの。まだ、生きた球に目が慣れていない打者は苦労するものですが、それを差し引いても失速する打球が目立った。今季から採用される反発係数の小さい新公式球、いわゆる飛ばないボールの影響があると思います。実際に坂本に話を聞くと、『打感が重い。(打球が)飛びません』と言っていた。『ピッチャー有利、絶対に有利ですよ』と言っていたのは亀井で、脇谷も『昨年までのボールを打った感触がカーン!とかパーン! だったとすると、新しいボールはグニャという感じ。バットの芯で捉えればそんなに影響はないですが、バットの少し先っぽや根元で打ってしまうと飛びませんね』と口を揃えていました。投手にとっても、ボールが滑る、縫い目が高くて引っかかる、と弊害はありますが、やはり打者の方が飛ばないボールの影響を受けるのは間違いありません」
 ボールを作るメーカーの話では「従来の公式球に比べ飛距離は1メートル減」とのことだが、巨人選手の実感はそれ以上。ナインからは「重い」「飛ばない」と悲鳴が上がっているのである。

 これにニンマリだったのが、巨人キャンプを視察する中日の筒井スコアラー。「まだこの時期ですから」と前置きしながらもこう続けた。
「ボールが飛ばなくなって影響が出るのは、長距離打者が並ぶ巨人でしょう。投手陣を中心としたチームには逆に有利に働くのかな、と思っています。中日? うちには有利じゃないですかね」
 昨季、自己最多の44本塁打を放った阿部も、「バットの芯に当たれば、あまり変わらない気もするけど、芯に当たらないと、ごまかしが利かなくなる」と話している。
 ごまかしが利かなくなれば、狭い東京ドームでの詰まったような当たりがスタンドインする“ドームラン”は確実に減少する。昨季の巨人のチーム本塁打数は12球団最多の226本(2位は阪神の173本)。圧倒的な打線の破壊力を武器にしてきた巨人が、飛ばないボールによってその特長を奪われる。
 この日、原監督は「全体的にいい。低いところに落ちている選手がいない」と満足げに第1クールを振り返ったが、巨人の得点力を激減させるかもしれない新球が早くもチームに暗い影を落とし始めている。
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