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日経ものづくり:アナログ電波との「別れの季節」 |
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| 先生@管理人 [神の領域!] [827回(48664pt)] [2010/7/15(木) 午後10:17:52] |
テレビのアナログ放送の終了が1年後に迫ってきました。ある種の人々にとっては、別の電波のアナログ運用終了が最近の大きな関心事でした。2010年7月9日、JR東日本は首都圏の鉄道無線について、3年がかりで進めてきたデジタル化を完了した(らしい)のです。このため、無線LANに対応した車両(例えば成田エクスプレスの新型車両E259系)では、全区間で乗客はパソコンから無線LAN経由でインターネットにアクセスできるはずです。そういったメリットの陰で、これまで鉄道無線を傍受していたマニアにとっては「別れの季節」でありました。
無線通信は、基本的には第三者に聞かれていることを前提として運用されます。電波法でも、列車無線や航空無線などを含めて、当事者以外が無線通信を受信すること(傍受)自体は禁止していません(通信の内容を他人に漏らしたり、悪用したりした場合には罰則規定があります)。というか、アナログ無線はそれほど特別な設備でなくても受信できてしまうので、禁止のしようがなかったという方が実態かもしれません。しかしデジタル無線では秘話機能も利用できますし、電波そのものは受信できても音声などに復号することは、第三者には事実上できなくなります。
業務用無線通信の傍受には、鉄道無線に限らず共通して言えることですが、現在発生しているできごとがリアルタイムで分かる、という実利的なメリットがあります。例えば列車が遅れているとき、その原因が何か、解決までどのくらい時間がかかりそうか。駅や車掌さんの案内放送は、どうしてもある程度「丸めた」情報になるので、何が起こっているかを正確に読み取るのはなかなか難しい場合があります。
遅れの原因が人身事故なのか、あるいは「車両点検」か「線路点検」かで、乗客として取るべき対応は変わります。人身事故なら、普通は40分間待てば運転再開になるので、う回するにしても40分余計にかかるかどうかが判断の分かれ目。車両点検も、エアセクション内停車(変電所のそばで架線が二重になっている区間は、架線電圧が微妙に異なる場合があり、これをパンタグラフで短絡し続けると不具合が生じることがある)のようなよくあるものなら待つしかないと思いますが、車両のブレーキが緩まなくなったといった見通しのつきにくいものだと話はだいぶ違います。最も恐ろしいのは線路点検や信号点検というやつで、ポイントが転換しなくなっていたり信号が消灯したりしていると、絶望的に長引くことが多いです。
こういった判断をする上で鉄道無線は極めて有用なのですが、少なくとも首都圏のJR線では現場の情報を勝手に取得できる乗客はいなくなりました。でも、それこそ無線のデジタル化で指令所にとっては線区の情報をより迅速に把握できると思うので、乗客への情報の提供も強化してもらえるとうれしい、とも思うのですが。
昨年(2009年)夏、鉄道総合技術研究所の技術フォーラムで展示されていた研究の1つに、この種のトラブル情報をどのように乗客に伝えるかというものがありました。現状では職員によって情報の扱い方はバラバラで、未確定情報も含めて積極的に伝える人もいれば、トラブル解消が確定するまであまり伝えない人もいるとか。乗客などのアンケートなどで調査した結果によれば、トラブル時には解決のメドが立っていなくても、ありのまま情報を伝えるのも1つの方法、という感じだったそうです。乗客に「こうした方がいいです」とか「何分後に運転再開します」という解決策を必ずしも提示できなくても、情報は多い方が乗客は何らかの判断を下しやすくなります。
その鉄道総研の技術フォーラムにご一緒させていただいたベテラン技術者のIさん。一通り説明を聞いたあと「ところで、あなたの担当じゃないと思いますけれども、JR線でトラブルがあったとき、遠く関係のないところまで止めるのはなぜです? 一度お茶の水駅(東京都千代田区・中央線快速と中央総武各駅停車)あたりでトラブルがあるっていう話なのに、上野原(山梨県上野原市・中央本線)にも電車がこなかったことがあったんですよ」。
障害区間は仕方ないとしても、その両側で折り返し運転をしないのはなぜか、という質問です。折り返し区間の端の駅に乗客が集中するから、という説もありますが、実はこれはなかなかナゾでして、大学で鉄道を専門に研究している第一人者の先生も、先日「分からない」といっておられました。それで、鉄道総研の研究者の方もよく分からない。分からないなりに「乗務員の労働条件に影響するからかも…」などと説明を試みてくださるのですが、Iさんはその時のことをだんだん思いだしてきたのか、かえって疑問が深まってしまった様子。「でもねあなた、お茶の水と上野原って何km離れてると思います?」
ちなみに、東京メトロはトラブル時に折り返し運転を実施することがよくあるようです。だから、技術的にできない、という話ではないはずだとは思います。多分、無線マニアにとってもナゾのままでありましょう。 |
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| Re: 日経ものづくり:アナログ電波との「別れの季節」 |
| 先生@管理人 [神の領域!] [828回(48720pt)] [2010/7/15(木) 午後10:22:56] |
JRって「折り返し運転」しないの! 掲載の通り、東京メトロは、よく「折り返し運転」しているから 普通だと思っていた・・・ |
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